Sound Horizon – “Elysion~楽園幻想物語組曲~”

2005年4月13日、ベルウッドレコードよりリリース。
幻想樂団「Sound Horizon」の4th Story CD。
メジャーデビュー後初のStory CDということで今作が本当の意味でのメジャーデビューアルバムと言っても良いでしょう。
Chronicle 2ndは壮大なオペラ色が強い作品でしたが
今回はアルバム全体のストーリー性とともに歌曲としての独立性も兼ね備えており、
楽曲単体で聴いても十二分に楽しめるアルバムになってますね。
ただやはり聴く時には最初から通して聴きたいものですが・・・
では各楽曲の感想に参ります。
01.エルの楽園[→side:E→]
物語の幕開けにして「楽園」の”表”の姿を綴った楽曲。
サウンド的には【壊れたマリオネット】、【白の幻影-White Illusion-】、【黒の予言書】の流れを汲む
SHのメインカラーと言っていいでしょうシンフォニックロックですな。
イントロのじまんぐさんの語りからSH独自の雰囲気が出てて聴いた瞬間「キターッ!!」って感じですよw
あらまりさんのVo.もこれまで以上に磨きが掛かってて素晴らしいの一言です。
特に好きなのが終盤のピアノ+Vo.(「ねぇお父様・・・」のとこ)の部分。
美しさともの悲しさの両方を併せ持つメロディはまさに秀逸。
02.Ark
【Elysion〜楽園への前奏曲〜】の方にも収録されてましたがこちらは完全バージョン。
前奏曲バージョンで聴いた時は「ちょっとドラムが弱いなぁ」と思っていたんですが
見事に修正されて重厚なドラムになってたのでもう大満足ですよ。
同時にギターもSH作品で一番と言っていいくらいカッコ良い出来になってますな。
こちらのバージョンは「生演奏にこだわった」という部分を存分に味わえますね。
終盤の打音?や鎖の音?みたいなエフェクトで物語の謎はさらに深まったような気もしますが
色々想像できる余地を残してるということでそれもまた良しでしょうw
最後のサビの前にギターソロを追加してあったのは個人的にポイント高し。
03.エルの絵本[魔女とラフレンツェ]
楽園が誕生するまでを綴った曲。
メロディラインが透き通るような感じでかつ儚さ全開でイイですな〜。
中盤〜終盤の急展開が非常に好きです。
04.Baroque
リードボーカルは一切ナシのあらまりさんの語りメインの曲。
あらまりさんの言葉一つ一つに血が通っていて聴き終わった後に鋭い痛みを憶えますな・・・
ただ一番好きな部分は終盤のじまんぐさんの「ならば、私が赦そう」だったりしますw
05.エルの肖像
アルバム中一番と言ってもいいくらいメロディが美しい曲。
イントロのピアノソロ〜中盤のミディアムテンポ〜終盤の疾走感という展開が凄く好きですな。
アルバムのキャッチコピーでもあった「退廃に至る幻想 背徳を紡ぎ続ける物語 ・・・」のくだりは名フレーズだと思います。
06.Yield
これも前奏曲に収録されてましたがこちらは目立った変化はないかな。
完全バージョンということでもうちょっと変化を付けても良かったのでは?と物足りなさも感じますね。
まぁそれでもこの牧歌的な雰囲気は何とも言えないものがありますが。
07.エルの天秤
【檻の中〜】シリーズをさらに発展させたタイプの曲かな。
全編に漂う妖しい雰囲気が堪りませんわ。
Tr.04やTr.09にも言えることですが、今作におけるじまんぐさんの出番はそれほど多くはありませんが
一つ一つの台詞にもの凄いインパクトがありますよ。
この曲の「残念だったね」もその一つ。
これは一度聴いたら忘れられないと思いますw
08.Sacrifice
とにかく「痛い」曲ですな。
嫉妬、裏切り、魔女狩り、復讐といった人間の負の感情の怖さをこれでもかというくらいに味わえます。
初聴時は思わず鳥肌が立つくらいにショックを受けた印象がありますよ。
そんなテーマでもこの曲のように凄く美しい旋律で綴ってしまうところがSHの凄さですが。
09.エルの絵本[笛吹き男とパレード]
じまんぐさんの本領発揮な曲。
来る者は拒まないが去る者は決して赦さない」はすごい耳に残りますね・・・口癖になりそうですよw
笛の音といいあらまりさんのコーラスっぽさを前面に出したVo.といいパレードの雰囲気を醸し出してますな。
物語が終焉に近づきつつあることを感じさせる雰囲気も持ってますね。
10.Stardust
試聴で公開された曲・・・ということで発売前にBメロ〜サビの部分は何百回と聴きましたが
とにかくメロディのポップさが素晴らしすぎますよこの曲は・・・
聴き終わった後に思わず涙が出てくるようなメロディラインは久々に聴いた気がします。
テーマ的にもアルバムの中では一番ありふれた恋模様を扱っているだけあって
今作でSHに初めて触れた人でもかなり取っつきやすい感じの曲では?
またこれまでのSHになかったタイプの曲調なのでSHの新たな可能性も感じましたね。
11.エルの楽園[→side:A→]
アルバムのラストを飾る曲にして楽園の”真”の姿が垣間見える曲。
前半の[Elysion]サイドと後半の[Abyss]サイドで全く雰囲気の異なるところが良いですな。
終盤でArk→Baroque→Yield→Sacrifice→Stardustのオルゴール音とともに
ここまで綴られてきた物語が一つの線で繋がるところも何とも。
結局奈落に堕ちたまま救いなくこの物語は終わるわけですが
悲劇が大好きな僕にはかなりツボな終わり方ですよ。
聴き終わった後に行き場のない喪失感、というか悲しみが残るのもアルバムの余韻に浸れて良いですな。
以上11曲とあとTr.44に隠しトラックがありますがその内容はご自分で聴いて確かめてくださいw
SHらしく好みは非常に分かれる作品ですが聴く価値は絶対にあります。
僕は歴代のSH作品で最高のアルバムだと思ってますしコレを超える作品を生み出すのは難しいと思いますが
SHならきっとやってくれるでしょう。
メジャーデビューしてもこれまでとスタンスは変えずにさらに進化したSHを見せてくれたという点が
一番嬉しいですね。
次回作にももちろん大期待です。

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