霜月はるか – “ティンダーリアの種”

ティンダーリアの種
01.創奏
02.祈りの種 
03.広い世界の欠片
04.廻る理
05.花祭りの娘 
06.今夜の月が眠るまで 
07.ヒカリノオト
08.ささやきは森へ還り
09.真実の炎
10.枯れた大地へ続く途
11.護森人 
12.いのちと約束


霜月はるかさんのメジャーリリースとしては2ndとなるフルレンス・ヴォーカル・アルバム。
「オリジナル・ファンタジー・ヴォーカル・アルバム」と銘打たれたとおり、
アルバムを一本の物語が貫いているタイプのコンセプト/ストーリー・アルバムです。
「ティンダーリア」という世界を舞台にしたその物語は企画段階から完全にオリジナルに構築されたもの。
パーフェクトガイドの方を読んで頂ければ分かりますが、
細かい部分の設定までしっかり作り込まれていて、特にCho.で聴かれる造語の構築力は流石の一言ですね。
「言葉の響きを重視して創った」との通り、非常に耳当たりが良く、聴いてて心地の良い響きの言葉です。
綿密に入念に創られたストーリーもリアリティ・スケール感十分です。
サウンドの方はこれまでMaple Leafで聴かれたものの延長線上と言っていいと思いますが、
音質ももちろん、それぞれの音の持つ説得力というかスケール感が大幅に向上している印象ですね。
その辺はやはりサウンド・プロデュースの岩垂徳行さんによるところが大きいのではないかと。
生楽器の持つ空気感とか臨場感といったモノが余すところなく収められていて、
ヴォーカル/コーラスのみならず演奏面でも大いに楽しませてくれます。
フィドルやバグ・パイプといった本物の伝統楽器を殆ど使わずに
中世ヨーロッパ的なトラッドな雰囲気を作り出すことに成功している音作りも特筆すべき点かと。
また、アルバムの曲順/楽曲構成は明確なストーリーがあるためか、ワリと起承転結が明確ですね。
そのため個々の楽曲のキャラ立ちもかなりハッキリしているように思います。
壮大なオーケストレーション/コーラスで聴き手をティンダーリアの世界に一気に引き込むイントロ・トラック”創奏“に続く
霜月さんらしさが全面に溢れた主題歌”祈りの種“、
今作中もっともポップス寄りな楽曲構造の、軽快でキャッチーなメロディに満たされている”広い世界の欠片“、
壮大で幻想的な雰囲気とヴァイオリンの音色が胸を打つ”廻る理“、
三部構成で曲が次々と展開していく構成がオイシイまさに祭の曲といった雰囲気の”花祭りの娘“、
サビの昂揚感がタマラナイ物静かなバラード”今夜の月が眠るまで“、
深き森を思わせる深遠な雰囲気の”ヒカリノオト“、”ささやきは森へ還り“、
熱い曲展開と霜月さんの低域を強調したVo.が印象的な、物語が急展開を迎える”真実の炎“、
前曲とうって変わって寂寥感やノスタルジーを想起させる&サビで挿入されるクラップに耳を惹かれる”枯れた大地へ続く途“、
ブルガリアン・ボイスとクラシカルなコーラスをふんだんに使用した霜月さんのヴォーカル/コーラスに圧倒されながら物語が一気にクライマックスを迎える熱い昂揚感十分なラストバトル曲(笑)”護森人“、
前曲の余韻を残すように静かに始まりつつ、どんどん盛り上がっていって最後には大団円を迎えるエンディング曲”いのちと約束
とそれぞれに異なりながらも十二分な魅力を持った楽曲が連なって一つの物語を創る様は見事。
インタビューとかでも仰ってましたが、普段の霜月さんのアルバムだと
もう少し陰のある雰囲気の曲が多いような気がしますけど、
今作では岩垂さんのインプットからか明るい曲の割合が増えたおかげで
アルバムの持つ色がより豊かになった気がしますね。
楽曲の幅が広がったことによって何度聴いても飽きが来ないアルバムになっていると思います。
長くなってきたのでこの辺でまとめますと。
楽曲そのもののみにフォーカスして聴いても十分に面白いアルバムですが、
歌詞やその背景にある世界観にも注目して聴くと何倍も楽しめるアルバムに仕上がっていると思います。
“ファンタジー”という単語に何らかの思い入れを持っている方には是非聴いて頂きたい。
60分強の素敵な音楽の旅に連れて行ってくれると思いますよ。

-Highlight Tune-
09.真実の炎~10.枯れた大地へ続く途~11.護森人
この辺りの終盤に向かっていく重いながらも熱い展開がタマリマセン。

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