Dark Lunacy - "The Diarist"

2006, Sep 05

style="float:left; margin-left:5px;margin-right:5px;border:0px; vertical-align:top;"> The Diariststyle="vertical-align:center;">01 Aurora 02 Play Dead 03 Pulkovo Meridian 04 The Diarist 05 Snowdrifts 06 Now Is Forever 07 On Memory's White Sleigh 08 Heart Of Leningrad 09 Prospekt 10 Motherland 11 The Farewell Song

イタリアの暗黒管弦楽吟遊詩人Dark Lunacyの3rdフルレンス。 まず知らない方のためにこのバンドの音楽性を解説しておくと、 一言で言うなら「ヴァイオリン、チェロ等のクラシック弦楽器を本格的にフィーチャーしたシンフォニック・ゴシック・デス」ってところですかね。 最近のシンフォニック系のバンドにありがちなキーボード・アレンジは殆ど用いず 生の弦楽器をふんだんに使用した非常に質の高いシンフォニック・デスを 1st【Devoid】、2nd【Forget-Me-Not】では演ってました。 ただ、今作ではその生弦楽器はあまり用いていない、という噂はリリース前から届いてました。 バンドのアイデンティティの核となる部分なだけにどうなるかなー、と少し危惧したりしてましたが… 実際聴いてみたら全くの杞憂でしたね。 生弦の華麗さが引っ込んだ分、今作は前2作と比べてアグレッションが大幅に増大しており デス・メタル的なカッコ良さが前に出てきてます。 それでいて陰鬱でメランコリックなメロディにもさらに磨きが掛かってるとなると… もう泣くしかないでしょ?って感じですねw 第二次大戦中のレニングラード攻防戦をテーマにしてるだけあって悲壮感、悲哀感がかなり強調されてるのも個人的には◎。 肝心の曲の方も強烈なキラー・チューン揃い。 1stのDollsの如きスピードとアグレッションをもって聴き手に襲いかかる01、 廃墟の中を独り歩いているような冷たい悲壮感に満ちた02、 美しいソプラノ女性Vo.とMike Lunacyの咆哮の対比に涙せずにはいられない名曲05、 ザクザクしたデスラッシュ的リフに乗った女声Cho.の悲哀感が胸を掻きむしる07、 イントロで泣きに泣きまくっているリード・ギターのフレーズがいつまでも頭に残るスピード感のある08、 原色の世界をイメージさせるインスト09を挟んでアルバムのクライマックスを 劇的な場面展開で一気に畳みかける10、 このバンドには珍しく少し明るめ、というか希望を思わせるメロディが印象的なラスト・トラック11 と…とにかく全ての楽曲に隙がない。 さらにコンセプト・アルバムらしく後半になるにつれて盛り上がりを見せてくる演出の巧みさも見事。 特に10のカッコ良さといったらもう…感涙モノですよ。 1st,2ndでも感じましたがこのバンドのセンスの非凡さにはホントに驚かされます。 生弦を使ってる、使ってないっていう表層のアプローチ的な違いはありますが、 1stから一貫して「耽美さの中にある嘆きと慟哭」を表現してきた彼ら。 その表現手法は今作で1ランク上の地平に上がった、という印象を受けます。 今作リリース後にメンバー交代もあったようですが、次作ではどういった進化を見せてくれるのか… 今から楽しみでゴザイマス。 -Highlight Tune- Motherland 胸に突き刺さる嘆きと慟哭のメロディといい、プログレ的な場面展開といい…もう完璧。 中盤のギター・ソロがまた泣きまくりでイイんですよね… 個人的にはDark Lunacyのベスト・チューンだと思う。