レビュー : mimei - "土地の子"

2007, Mar 13

01.土地の子(instrumental) 02.僕の悲しみよ、君を消さないで 03.ナスカンディア~導きの風 04.花祭 05.るりいろのへや 06.つちのこえ 07.星の大地 08.不在の夢 09.遠い約束 10.君は僕を忘れ、微笑むだろう 11.故郷(「大地伝承歌」inst ver.)style="clear:left">

サークルmimeiさんのフルレンス・ヴォーカル・アルバム。 ジャンル・方向性的には霜月はるかさんや志方あきこさんの流れと言えるであろうファンタジー/民族音楽色を前面に出した音楽です。 最近同人音楽界でこの方向性のアーティストさんってかなり増えてきてる気が個人的にはしてるんですが、 そんな中でも頭一つも二つも抜きん出るクオリティの高さを有しているサークルさんだと思っております。 僕にそう思わせる最大の理由は何と言っても全編に漂う斜陽を思わせる"憂い"と"悲しみ"の表情。 ヴォーカル・メロディ自体に強烈な悲壮感がある、という感じではありませんが シンセ等によるインスト・パートの演出が絶妙で、聴いてるとついつい涙腺が緩んでしまいます… "憂いを帯びたファンタジックな雰囲気"が大好きな僕にとって、この雰囲気はまさにストライクゾーンど真ん中。 オープニング・トラック"土地の子"から全編通してその雰囲気が持続するのは 人によっては単調と映るかもしれませんが、僕はこの哀しみを漂わせたトラッドな音世界に40分間浸かっていられるのがすごく心地よく感じる人間なんで(ぉ 特に"ナスカンディア~導きの風"、"星の大地"、"不在の夢"あたりは心の深い部分にグイグイと迫ってきますよ。 "不在の夢"で聴かれるオーケストレーションもステキの一言。 また、"遠い約束"、"故郷"の哀愁漂うノスタルジックな雰囲気作りも○。 アルバム全体のコンセプトと相まって、どの曲でも「悲しみと決意の旅路」の風景に連れて行ってくれます。 あー…こういう寂しく哀しげな雰囲気ってやっぱり最高ですわ…(病気 まぁ、そんな感じで全編通して暗いとは言わないまでも、哀しい雰囲気が漂ってるので 明るくポップな音楽が好きな人には重すぎるアルバムかもしれません。 ただ、僕のように音楽に"泣き、哀愁"の要素を強く求める人には大いにアピールしうる1枚だと思います。 ただ仕方ないところだとは思うんですけど、現状では音の臨場感、スケール感という意味ではもう一歩かなとも思っています。 生楽器をふんだんに使ってその部分が改善されたら…凄いアルバムが生まれそうな気がします。 今後の活動がとても楽しみなアーティストさんです。 -Highlight Tune- 星の大地 壮大かつ憂愁感漂う雰囲気がステキすぎ。泣ける。