【Column】CDレビュー考 rev.01

2007, Jun 21

どーじんおんがく紹介所さんで数日前に公開されたとあるレビューを巡って少々問題が起きているようですね。 僕も読ませて頂きましたが、まぁ確かに読み手に誤解を与える表現はありますけれど… ただレビューとしては「曲単位で突出したものはないけど、アルバムとしては良作」 ってことだと思いますし、個人の感想としては至極自然なモノだと思います。 さて、↑の話はこの辺にして本題に移ります。 ウチも一応CDレビューなどをやっている身として、レビューに対するスタンスというか 「個人サイトのCDレビュー」について少し喋っておきたかったので丁度いい機会ということで書いてみます。

結論から言ってしまうと、個人サイトのCDレビューは結局のところ「書き手(管理人)の感想」なんですよ。 少なくとも僕はそういうスタンスで書いてます。 音楽を創る側の人が書くレビューならともかく、純粋なリスナーとしての立場から 書くレビューは「感想」の域を超えるモノには決してなり得ない、というのが僕の持論です。 オーディオの世界では「音」を「Quality(音質)」と「Character(音色)」に分けて 評価するみたいですけど楽曲の評価に対しても全く同じ事が言えて、 QualityとCharacterは別個に分けて考える必要があると思います。 そして重要なのがQualityはある程度客観的な評価が可能ですが、 Characterは客観的な評価は決してできないこと。 楽曲におけるQualityとは「演奏技術」や「音質」であり、Characterというのは 「ヴォーカリストの声質」や「メロディの個性」であると言えますが、 音質の善し悪しはある程度客観的な尺度、基準が存在するのに対し ヴォーカリストの声質などはまさに「個性」であり、技術的にほぼ同レヴェルの 水準にある場合そもそも比較すらできないわけです。 Character(個性)については「いい/悪い」ではなく「好き/嫌い」でしか 語ることができないでしょう。 また、個人サイトのレビューはそれでいいんだろうと思います。 結局それ以上のことは何も言えないんですからね。 あくまでも「感想」という観点に立っているため、ウチのレビューは敢えてレーティングをしていません。 そこに客観的な指標はないわけですからね。 なので読み手側にも「あくまでも個人の感想」ということを念頭に置いて読む必要があるのではないかと。 僕も色々なレビューサイトを廻ってますけど、「あくまでもひとつの感想/意見である」 ということを意識して読むようにしてますね。 ただ個人の感想といえども、WEBに公開する以上テキストの書き方については 意識しなければいけませんね。 僕は基本的に気に入った作品しかレビューは書かないのであまりありませんが、 「好みに合わなかった」的な否定的なことを書く場合、書き方に気を付ける必要があると思います。 例えそのCDを聴いた結果気に入らなかったとしても「嫌い/ダメ」とか書くのではなく 「自分には合わなかった」と書くようにする、とかですね。 これはレビューに限らず感想/所感系のテキストを書く際に 気を付けなければならないことの一つで、僕はテキストを書く際に この辺りには非常に気を遣ってるつもりです。 …といってもまだまだ僕もレビューの書き方については模索中で、 至らない点も多々あると思いますが今後もより精進していきたいと思います。 …とまぁ、ここまである意味当たり前の事を書いてきましたが 僕がレビューを書く際にもう一つ強く意識していることがあります。 それは「真剣に音楽と対峙し、真剣にレビューを書く」ということです。 以前のコラムで僕は「真剣に音楽を聴く」ようにしていると書きましたが、 それとリンクしているんですけどね。 アーティストさんはそれこそ身を削るくらいの勢いで真剣に音楽を創っているんでしょうから、 リスナー側も全力をもってそれに応える必要がある、と僕は考えています。 レビューにも同じ事が言えると思うんですよ。 「ライヴに行く」事と並んで最も判りやすい形でアーティストさんに フィードバックを返せるんですから自然と真剣な、熱いものになってしまうんですよw という風に考えているので、僕の中に「適当に書く」という選択肢はないですね。 あまり語られないことですが、こういう「リスナーとしての在り方」を考えるのは 重要なことだと思いますので今後も強く意識していきたいと思います。 ↑のようなスタンスだと、レビューはなかなか頻繁には書けませんが これからもちょくちょく書いていきますので興味のある方は見てやってくださいw 以上、最近そろっと考えていたことをアウトプットしてみました。 しかし…軽く書くつもりがまた長文になってしまった…(何