【Review】Asriel - "回顧録 黒盤 Requiem"

2008, Feb 28

01.声を奪われた少女 02.Alice 03.Silencia 04.刹那夢見る少女 05.オズと魔女 06.Mebius Syndrome 07.ラピスラズリの幻想曲 08.禁断の剥離

AsrielさんのM3-2007秋新作。 現在完売の1st【白い闇に沈む永遠の夜】、2nd【ガーネットの波紋に染まる空】収録曲のリメイクと新曲2曲が収められた企画盤。 ただし僕は1st、2ndともに未聴なので、本レビューでは全て初聴としてのインプレッションを書かせて頂きます。 激しい(というか速い)楽曲のみの収録、というコンセプトのもと作られたアルバムのようなので、ミドルやバラード的な楽曲は1曲もナシ。 耽美な空気感をベースに激情と儚さを乗せて疾駆するAsrielさんらしい楽曲が並んでます。 そんなアルバム構成なので、4th【夢の繭紡ぐ盲目の輪舞】にあった 曲調のヴァラエティ豊かさはなく、楽曲個々のキャラ立ちは4thに一歩譲るところがあるとは思いますが、なんのなんの。 メロディの良さは健在ですし、クラシカル/ゴシカルな要素とポップ・センスのバランス取りがやはり絶妙。 そもそも僕は疾走曲には目がないので前述の事項は問題にならないという話も(ry アルバム構成的には単調かもしれませんが、楽曲の良さは流石の一言ですね。 特にtr06"Mebius Syndrome"の深遠な閉塞感はかなりツボに来ます。 サウンド面についても少し。 今回からギターが生演奏になった…らしいんですがギターがワリと奥に引っ込んでるmixなので 僕にはさほどの違いは感じられませんでした(ヲイ むしろKOKOMIさんのVo.の変化の方が耳を捉えましたね。 前作までは少し高域での余裕のなさが気になっていたんですが、今作ではそれが解消されているように思います。 今作でのVo.は堂々たる佇まいですし、気品というか風格のようなモノが出てきた気がしますね。 バッキングもけっして悪くないんですが、同人音楽の宿命というか、ギターとドラムには少々物足りなさを憶えます。 この辺りは今後に期待、ってところですね。 まとめ。 少々苦言も呈した気もしますが、企画盤としては非常に面白いですし曲のクオリティも十分と思います。 4thとこのアルバムを経て作られるでろう5thが楽しみでしょうがないです。 あとついに商業流通進出か?という話もありますし、今後の活動に期待ですよ。 -Highlight Tune- 06.Mebius Syndrome tr03"Silencia"と迷いましたがこちらを。 深い森の中を思わせる閉塞感がタマラナイです。