【Review】Eluveitie - "Slania"

2008, Apr 28

style="float:left; margin-left:5px;margin-right:5px;border:0px; vertical-align:top;">Slania (Digi) 01. Samon 02. Primordial Breath 03. Inis Mona 04. Gray Sublime Archon 05. Anagantios 06. Bloodstained Ground 07. The Somber Lay 08. Slanias Song 09. Giamonios 10. Tarvos 11. Calling The Rain 12. Elembivos *13. Samon (acoustic version)

スイスの8人組ペイガン・メタル・バンドEluveitieの2ndフル。 前作【Spirit】ではイエテボリ・スタイルのメロディック・デス・メタルをベースにフィドルや笛によるトラッド/フォークテイストを加味した深遠な森を思わせる超強力なペイガン・メタルを演ってましたが、今作は基本的な路線は継続しながらも若干の方向性の変化が見えますね。 まずトラッド要素が少し抑えめになってメロデス要素が強くなった…というかぶっちゃけるとDark Tranquillityっぽい部分がかなり増えた印象です。 言うなれば「Dark Tranquillity + 笛&フィドル」ってところでしょうか。 この変化は好悪分かれる部分かもしれませんが、Dark Tranquillityの(信者に近い)ファンである僕としては大歓迎。 "Character"や"Fiction"に入っていてもおかしくなさそうな突進力のあるメタルをベースに、絶妙なところで笛やフィドルの音が切り込んでくる様は「これこそPagan Metalの究極形!」と言い切りたくなるくらいに素晴らしい。 メタルの部分がより強固になった分、tr05とか08のようなトラッド色を前面に出した曲とのコントラストがハッキリして アルバム構成に起伏ができたのもプラス要素ですし、Nuclear Blastと契約した副産物か音質もかなり向上していて一音一音がさらに説得力を増したモノになってるのも◎。 クリアなサウンド・プロダクションのもと、笛やフィドルの音が古きケルトの情景を思い起こさせてくれます。 またメロディの哀感、悲壮感が素晴らしい…思わず涙ぐんでしまうフレーズがいくつもあります。 1stも素晴らしいアルバムでしたが、今作も決して負けていないというか、順当に成長を遂げたという印象ですね。 トラッド/フォーク・メタルというと日本ではKorpiklanniが有名だと思いますが、あのバンドのような 飲めや騒げや(ぇ的なムードは全くなくてかなり深遠でシリアスな空気感を持っています。 このジャンルの中でも特にメロデス寄りな音像のバンドと言えると思います。 なのでトラッド/フォーク・メタルのファンは勿論、メロディック・デス・メタルのファンにもかなり訴求する面があるのではないかと。 特にDark Tranquillityファンの方は聴いておいた方がいいかもしれませんよ!(ぇ しかし1stに続き名盤クラスのアルバムを出してきたわけで、次作がどうなるか楽しみで仕方ありませんね。 あとライヴも一度観てみたいところです。…来日はあるとしても相当先になりそうですが…orz 興味ある方はMySpaceより試聴をどうぞ。 -Highlight Tune- 03.Inis Mona 前作の"Your Gaulish War"並の名曲と思います。 メロディに込められた悲哀感が素晴らしすぎる。