2016年ベストアルバム10選
2016年ももう終わりですね。 ということで恒例のアルバム10選やります。
田所あずさ 「It's my CUE.」
ランティス (2016-07-06)
売り上げランキング: 24,736
タドコロック、ここに完成ーーーー。
ころあずさんの2ndフルアルバム。
上質なポップアルバムだった1stを経て、ひたすら「ROCKであること」にこだわり振り切った1枚。
とにかくカッコいい曲ばかりでロックファンとして思わず笑顔になる。
しっかりリフ刻んでて、かつメロディはキャッチーで田所さんの声を活かす感じになっていて、
カッコよさと聴きやすさを両立しているのがすばらしい。
声優のアルバムという枠を超えてもはや「ロックの名盤」でしょう!
全曲名曲だけど、あえて1曲選ぶならいったんクールダウンしたあとの後半に向けてエンジンを再起動する「ALERT from the END」がすごく好き。
正直Q-MHzと黒須さん目当てに買ったけど、期待を上方に修正されまくって一気にファンになってしまった1枚。
来年のツアーもいくぞー!!
綾野ましろ 「WHITE PLACE」
アリオラジャパン (2016-10-05)
売り上げランキング: 30,778
メジャーデビューから2年、満を持してリリースされたましろさんの1stフルアルバム。
ましろさんの透き通り、まっすぐ空まで伸びる歌を軸にストレートな冬属性ロックを響かせる。
シングル4曲はもちろん、新曲もブチ上がる曲ばかりでまさにここまでの道程の集大成。
こちらもすごくクオリティの高い女性Vo.ロックアルバム。
北海道出身というのもあり、ロックな曲もバラード曲も白い雪景色を連想させる曲が多いのがよい。
静動織り交ぜながら進んでいくアルバムの展開もよくて、この流れで聴く名曲「infinity beyond」はまた格別。
デビュー当時はエイルさんと比較されがちだったけど、もう完全に自分の色を確立したと思う。
これからもどんな景色を見せてくれるのかとても楽しみです。
風とキャラバン 「はじまりの風-CROSSROAD-」
神永大輔さんを中心としたケルト編成のバンドプロジェクトの1st。
今作はなるけみちこさんの楽曲をフィーチャー。
この編成で演奏されるワイルドアームズやノーラと刻の工房とか…いいに決まってるでしょうッ!!!
アームズ曲ももちろんいいけど、特にノーラの曲が原曲をそのまま超贅沢に拡張した感じのアレンジですっごくいい。
「草の上に寝転んで」なんか特に。
アームズの「アーデルハイド城下町」も含め、町曲がファンタジー世界の町に生きる人の息遣いが感じられるアレンジになっているのがホント素敵。
僕の好みどストライクな編成のバンドなので、今後もゲームミュージック演奏、オリジナルともにいろんな曲を聴かせてほしいですな。
井口裕香 「az you like...」
ワーナー・ホーム・ビデオ (2016-07-06)
売り上げランキング: 36,250
井口裕香さんの2ndフルアルバム。
いぐちさんのa to zまでの「好き」を詰め込んだこのアルバム、とても良い。
まず曲がすごく良くなったというか、いぐちさんの歌が120%活きる曲が揃っているし、
「楽しいを共有する」というソロ活動のコンセプトがこれでもかと伝わってくるものになってる。
凄さを見せるのではなく、聴き手に寄り添ってそっと背中を押してくれる歌というか。
全編通して優しく柔らかい雰囲気で聴いててすごく安心する。
アルバムの曲順もうまく起伏をつけていてよく考えられていると思う。
特に後半の「ピリオドのない雨」~「変わらない強さ」~「Alf Laylah Party」~「YOU!!!」~「おやすみなさい」の流れは
テンション上がらざるを得ない。
いぐちさんの声がいろんな方向から聴こえてきて耳が楽しい「Alf Laylah Party」と
高橋美佳子さんらしいポジティブなエネルギーに満ち溢れた「YOU!!!」は特に必聴。
Q-MHzのディレクション力はやっぱり凄いなーと「Alf Laylah Party」を聴いて思ったわけです。
この辺は後で挙げるQ-MHzアルバムのところにてkwsk。
このアルバムの後に出た「Lostorage」ではまた違った顔を見せてくれていたりするので、
今後ソロの方でもどういう歌を聴かせてくれるのか楽しみであります。
悠木碧 「トコワカノクニ」
FlyingDog (2016-12-14)
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あおちゃんこと悠木碧さんのソロ3rdプチアルバム。
ミニアルバムではなくプチアルバムです(重要)
今作は「100%悠木碧の声だけで構成される」がコンセプトのまた尖ったというか振り切った作品。
これがすごく面白い!
まず、歌とバッキングがある楽曲として成立しているのが凄いし、
曲ごとにカラーが違ってアルバム通してひとつの世界を描いているのが見事。
あおちゃんソロ特有のかわいらしくも一筋縄ではいかない世界に、あおちゃんの声100%で浸かることができる。
主メロとバッキングのリズムパートでの声色の使い分けだったり、違うトーンのあおちゃんの声で360度包まれる感がすごく心地よい。
ホントこの人の「声」に関する技術力・表現力は凄い。
昨今声優さんの音楽活動は当たり前のものになっているけど、「声優が歌うことの意味」に対するひとつの回答がこの作品だと思う。
またこういう作品をリリースしたこと自体にも意味があると思う。
というのも、このアルバムの曲、「ライヴで再現する」のがすごく難しいだろうし、
CD出してライヴ、という流れがほぼ当たり前になっている時代にこういう方向性の作品は商業的には不利になると思うけど、
それでも出したあたりに「表現したいものがあるから表現する」という気概を感じる。
そういうアーティスティックな姿勢がすごくいいなと思うわけです。
MVにもそれが顕れていて、一切媚びていないのがよい。ということで貼っておきます。
人は選ぶ作品だとは思うけど、尖っているものが大好きな僕にはどストライク。
こういう振り切った作品に触れるとホント嬉しくなる。
V.A. 「幻影異聞録#FE ボーカルコレクション」
avex trax (2016-02-10)
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2015年の暮れに発売された、国産RPGのひとつの到達点である名作RPG「幻影異聞録#FE」のヴォーカルアルバム。
「芸能の力で戦う」がコンセプトのRPGなので、歌が作中でも重要な要素になってくるわけですが、
とにかくPopsとしてクオリティの高い楽曲が揃っているこのアルバム。
avexが全面的に制作に関わっているだけあって'90年代~'00年代のJ-Pop感がすばらしい。
イベントでつばさちゃん役の水瀬いのりさんも言っていたけど、いい意味でキャラソン感がないというか、単体でも超良質なポップスとして聴ける。
さらに作中で重要な役割を果たしている楽曲ばかりなので、ゲームをプレイしていると高揚感が何倍にも増幅されるという。
「光の戯曲」を作中で聴いたときはFE好きでいてよかったと心底思った。
僕はつばさちゃんとキリアさん推し(キャラ的にも中の人的にも)ですが一番好きなのは「雨音のメモリー」かもしれない。
歌謡曲感がすばらしいし、まもりちゃんの想いがストレートに伝わってくる歌が最高に響く。
あと「Give me!!」な。
つばさちゃんとキリアさんの共演という意味でも、南條さんと水瀬さんのツインヴォーカルという意味でも。
発売から1年経ちましたが本当に良いRPGなので未プレイの方はゲームも合わせてぜひ。
幻影異聞録はいいぞ。
fhána 「What a Wonderful World Line」
ランティス (2016-04-27)
売り上げランキング: 1,658
女性Vo. + コンポーザー/アレンジャー3人のユニットfhánaの2ndフルアルバム。
2ndも超上質なメロディがたくさん詰まった名盤を出してきました。
Aメロ→Bメロで徐々に盛り上がりつつ、サビでtowanaさんのハイトーンが炸裂するfhána節が最高に気持ち良い。
方向性はそのままにfhánaの音楽をより突き詰めてきたかんじ。
特にアルバム表題曲と名曲「虹を編めたら」がもう良すぎてな…
fhánaは「サビで正しく盛り上がる」王道展開を超カッコいい音でやっている、というのが個人的印象なんですが
「王道をカッコよく貫く」ことの価値をすごく感じる。
歌メロはもちろんバッキングの一音一音に至るまで、曲に入っているすべての音が心地よい。
「星屑のインターリュード」で衝撃を受けてから2年。ホント良いユニットに出会ったなと思います。
これからも追いかけるぞー!
Evan Call 「シュヴァルツェスマーケン ミュージックコレクション」
エイベックス・ピクチャーズ株式会社(Music) (2016-11-30)
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「シュヴァルツェスマーケン」のサントラ&ヴォーカル曲集。
「white forces」「1983 -schwarzesmarken-」「white relation」といったfripSide曲ももちろん良いが、
Evan CallさんによるBGMが凄まじく良い。
作品の世界観を反映して重苦しい曲が多いのでEvanさんのオーケストレーションが炸裂しまくっている。
この人の超クサいやりすぎオーケストレーションホント好き。
特にインストで1曲挙げるなら「Blackened Pride」。
この界隈でシンフォニックデスをやってくれたのがメタラーとして超嬉しい。いいぞもっとやれ。
「哀しみが時代を駆ける」とか、ヴォーカル曲も綺麗な曲が多くてすばらしい。
EvanさんElements Gardenを脱退してしまったのが残念ではありますが、またどこかでこの人の曲を聴けるといいなぁ。
しちごさん。 × ABSOLUTE CASTAWAY 「Cross bouquet」
しちごさん。×ABSOLUTE CASTAWAY (2016-11-13)
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霜月はるかさん&日山尚さんのサークル「しちごさん。」と中恵光城さんのサークル「ABSOLUTE CASTAWAY」のコラボ企画のまとめアルバム。
まず霜月さんと中恵さんのツインヴォーカルという時点で超豪華だけど、
曲もそれぞれのサークル単独では聴けない新鮮な曲が多くてコラボならではの面白さが十二分に。
2人でハモるところも素晴らしいけど、2人で掛け合うところとか超熱い。
新曲の「檻鶴姫」では霜月さんとMeis Clausonさんの初タッグが聴けますが、
Meisさんファンでもあるのでこれはすごく嬉しかった。ちょっと和風テイストのあるミドル曲でとても良い。
そしてある意味このコラボの集大成である表題曲「Cross bouquet」。
綺麗なメロと疾走感がすごく気持ちよくて、ライヴで聴くのがとても楽しみです。
Q-MHz 「Q-MHz」
畑亜貴さん/黒須克彦さん/田淵智也さん/田代智一さんという凄まじいメンバーのプロデュースユニット1stアルバム。
「この4人が組んだら凄いのができるに決まってるでしょ!!!!?」という感じだけど、まさにその通りな恐ろしい完成度の1枚。
曲の完成度はもちろんだけど、特筆すべきはそれぞれのヴォーカリストのパフォーマンス。
5人のヴォーカリストが2曲ずつ歌っていますが、
- 1曲はそのヴォーカリストの個性を十分に活かした曲
- もう1曲はヴォーカリストの新たな一面を引き出す曲
と明確に曲の立ち位置を分けていてこれがすごく面白い。
この後者の曲で特に面白いのが鈴木このみさんの「「ごめんね」のシンデレラ」と東山奈央さんの「I, my, me, our Mulberry」。
「「ごめんね」のシンデレラ」はロック/メタルのイメージが強いこのみさんがストレートなバラードを歌うのもすごく良いと思ったし、
「I, my, me, our Mulberry」はまるでツインヴォーカルのような声の演じ分けをしていて、これも「声優が歌うことの意味」に対する回答の一つだと思う。
「ヴォーカリストの個性を最大限に活かしつつ、今まで顕れていなかった一面を出す、あるいはもう1ランク上の表現に引き上げる」ディレクション力が凄まじいな、と。
このアルバム以外のヴォーカリストへの提供曲にもそれが顕れていると思います。
先に挙げた井口さんの「Alf Laylah Party」とか小松未可子さんの「エンジェルナンバー」とか。
来年には1枚まるまるQ-MHzプロデュースの小松さんのアルバムも出るし、今後の活動が超楽しみ。