MLB2021シーズンプレビュー - Atlanta Braves編

2021, Mar 30

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MLBが4/1からついに開幕しますね。 ということで、贔屓2球団の今シーズンの展望を書いてみます。 まずはAtlanta Bravesから。 ※下記に記載している各種指標は

から転記しています。いつもお世話になっております。

Batting

チーム打撃指標2020

wOBA wRC+ BB% K% Barrel% HardHit% fWAR
.355 (1) 120 (3) 10.2% (4) 24.4% (11) 10.3% (1) 42.7% (2) 11.1 (3)

※()内数字はリーグ順位

開幕予想オーダーと打撃指標2020

Order Position Player Name wOBA wRC+ fWAR bWAR Barrel% HardHit% BB% K%
1 RF Ronald Acuña Jr. .413 158 2.4 2.2 16.0% 57.0% 18.8% 29.7%
2 2B Ozzie Albies .329 103 0.6 0.7 9.1% 28.4% 4.0% 24.2%
3 1B Freddie Freeman .456 187 3.3 3.2 14.7% 54.2% 17.2% 14.1%
4 LF Marcell Ozuna .444 179 2.5 2.5 15.4% 53.8% 14.2% 22.5%
5 C Travis d'Arnaud .392 144 1.6 0.8 11.2% 57.8% 8.7% 27.2%
6 SS Dansby Swanson .348 116 1.9 2.7 11.4% 40.7% 8.3% 26.9%
7 3B Austin Riley .307 88 -0.1 -0.7 10.0% 42.9% 7.8% 23.8%
8 CF Cristian Pache .221 31 -0.1 -0.1 0.0% 0.0% 0.0% 50.0%
9 P Max Fried - - - - - - - -

展望

2020年MLBトップのwOBA(.355)を叩き出した打線。 Marcell Ozunaとの再契約を果たし、メンバーもほとんど残っています。 なので、得点力が大きく下がることは考えにくいですが、Freeman、Ozuna、d'Arnaudの3人はキャリアハイレベルの成績だったので 今季はそこからいくらか成績を落とすことは見込まないといけません。 その分、昨年は故障で出場機会が少なかったAlbiesやSwanson、MLB3年目のRileyの上積みに期待したいところですね。

Spring Trainingを観てる限り、打順はAlbiesを2番に戻して3番Freeman、4番Ozuna、5番d'Arnaudにするようです。 個人的には去年のAcuna→Freeman→Ozuna→d'Arnaudの上位打線が相手への威圧感もかなりあって好きだったので 継続してもよいかなーと思いましたが、この打順はd'Arnaudが4番を打てるだけのパフォーマンスを出すことが前提になっているので、 4番Ozunaの方がd'Arnaudが不調になっても影響が少ないので良いかもしれませんね。 2番Freeman→3番Albies→4番Ozunaとかでもいい気はしますが。

控え野手はPablo Sandoval、Ehire Adrianza、Alex Jackson、Johan Camargoあたり。 SandovalはSTでもかなり打っていたので、代打の切り札やFreemanのバックアップとして期待がかかります。 Jacksonは将来の正捕手候補でもあるので、まずはMLBで経験を積んでほしいところ。

チームスタッツを見ると、三振が多いのがちょっと気にはなりますね。 ただBarrel%、HardHit%ともに高く強い打球を打てているのは三振を恐れずに振っていった結果とも捉えられるので、これはそのままでもいいのかもしれない。

Pitching

チーム投球指標2020

Role tERA K% BB% Barrel% HardHit% fWAR
SP 5.51 (13) 20.1% (14) 10.1% (14) 8.4% (10) 33.4% (1) 2.0 (13)
RP 4.18 (4) 24.3% (9) 9.2% (2) 6.3% (3) 34.4% (3) 2.2 (3)
All 4.81 (9) 22.2% (12) 9.7% (9) 7.4% (7) 33.9% (2) 4.2 (8)

※()内数字はリーグ順位

開幕主要メンバーと投球指標2020

Role Player Name tERA fWAR bWAR K% BB% HR/9 Barrel% HardHit% GB% FB%
SP Max Fried 3.34 1.5 3.1 22.3% 8.5% 0.32 3.3% 23.2% 53.0% 27.5%
SP Charlie Morton 3.94 0.9 0.1 24.7% 5.9% 0.95 7.9% 35.1% 41.6% 33.6%
SP Ian Anderson 2.82 1.1 1.3 29.7% 10.1% 0.28 1.2% 32.1% 52.5% 27.5%
SP Drew Smyly 2.44 1.0 0.1 37.8% 8.1% 0.68 13.3% 43.3% 41.7% 35.0%
SP Kyle Wright 6.82 -0.1 0.3 17.9% 14.3% 1.66 7.9% 36.8% 44.6% 32.1%
SP Mike Soroka 4.85 0.3 0.3 14.0% 12.3% 0.00 2.4% 34.1% 61.0% 14.6%
RP Will Smith 7.57 -0.6 0.2 29.0% 6.5% 1.23 15.0% 45.0% 30.0% 52.5%
RP Chris Martin 2.97 0.5 1.3 30.3% 4.5% 0.50 9.5% 42.9% 39.0% 36.6%
RP Tyler Matzek 2.33 0.8 0.9 35.5% 8.3% 0.31 3.0% 25.8% 43.1% 35.4%
RP A.J. Minter 2.80 0.4 1.2 28.2% 10.6% 0.42 3.8% 23.1% 49.0% 33.3%
RP Nate Jones 5.43 -0.1 -0.2 26.7% 7.0% 2.41 10.9% 56.4% 40.0% 41.8%
RP Luke Jackson 4.55 0.1 -0.4 15.2% 9.8% 0.68 3.1% 38.1% 61.9% 18.6%
RP Sean Newcomb 7.93 -0.2 -0.5 14.3% 8.6% 2.63 9.8% 31.4% 36.0% 40.0%

展望

去年の先発陣はまともな先発投手がMax FriedとルーキーのIan Andersonしかいないクソローテでしたが、 Charlie MortonとDrew Smylyが加入し一応5人のローテが組める状態に。大きな進歩だ。 MortonはBravesでドラフトされた選手ですし、13年の時を経て最初の球団に戻ってきたのは熱い展開。 年齢はネックですが、遅咲きのピッチャーで20代の頃にそれほど球数を投げていないので今年1年はやってくれるんじゃないかなと予想しています。 (2019にキャリアハイの成績残してますしね) Smylyは去年のK%がかなり高いので、化けると面白いかなと。 ただBarrel%、HardHit%がすごく高いのが気にかかりますが…… Statcastの投球分布を観る限り、フォーシームのコマンドに課題ありかもしれない。

新戦力2人にも期待しつつ、先発陣ではやはりMax Fried、Mike Soroka、Ian Andersonで新三本柱を形成できるのかが大きなポイント。 Max Friedは2年連続で結果を残したのである程度計算していいと思います。君がエースだ。 昨季鮮烈なデビューを飾ったIan Andersonが飛躍の年になるのか、Mike Sorokaが2019に近いピッチングをできるのかが強力ローテ形成のための条件になってきますね。 Sorokaは開幕に間に合わず、4月末復帰と言われているので、それまではKyle Wrightが代役を務めることになりそう。 光るものを持ちながらもここまでは打ち込まれる場面が目立っているWright。 スタッツを見るとBarrel%、HardHit%は低いものの四球とHRがかなり多くなっているので、コントロール、コマンドともに課題がありそうですね。 成長を期待しましょう。

崩壊しかけていた先発陣を文字通り“救った”リリーフ陣ですが、クローザーだったMark Melanconと左右のセットアッパーだったShane Greene、Darren O'Dayが抜けて、特に右のリリーフがかなり少なくなってしまいました。 Will SmithかChris Martinが新クローザー候補で、今のところWill Smithが有力のようです。 ただ、去年のピッチングを見ていてもBarrel%が非常に高く長打を打たれやすい傾向にあるので、1点を守る場面では不安が残りますね。 個人的にはChris Martinの方をクローザーに推したいところですが…… 左はMatzek、Minter、Newcomb、Daytonと比較的枚数が揃っていますが、右のリリーフが手薄なのは間違いないので、 シーズン中のトレード補強はほぼ必須かなと思いますね。 (Shane Greeneはまだ未契約のようですが、再契約しておいたほうがいいと思うんだけどなぁ……)

昨季は先発が弱点でしたが、今季は先発が強化されそうなかわりにリリーフで足元をすくわれる可能性ありかなと見ています。 若いピッチャーが少しでも出てくることを期待。

Fielding

チーム守備指標2020

Position ARM DPR RngR ErrR UZR Def
C - - - - - 8.0 (4)
1B - 0.4 (1) 1.4 (3) 0.6 (5) 2.4 (4) -2.1 (4)
2B - 0.0 (6) 0.1 (6) 0.3 (9) 0.5 (3) 1.4 (7)
3B - 0.1 (4) -2.4 (14) -2.2 (12) -4.4 (15) -3.5 (15)
SS - 0.1 (5) -1.3 (12) 1.7 (4) 0.5 (6) 3.2 (6)
LF -0.9 (10) - -0.9 (10) 0.0 (9) -1.9 (12) -4.6 (12)
CF 0.3 (8) - -0.9 (10) 0.3 (7) -0.3 (8) 0.6 (8)
RF -1.8 (11) - -3.3 (11) 0.3 (7) -4.8 (13) -7.5 (14)
All -2.4 (11) 0.6 (6) -7.2 (12) 1.0 (8) -8.1 (12) -12.1 (14)

※()内数字はリーグ順位

レギュラー個々のUZR

Order Main Position Player Name UZR(1B) UZR(2B) UZR(3B) UZR(SS) UZR(LF) UZR(CF) UZR(RF)
1 RF Ronald Acuña Jr. - - - - - 1.0 1.4
2 2B Ozzie Albies - 0.6 - - - - -
3 1B Freddie Freeman 3.1 - - - - - -
4 LF Marcell Ozuna - - - - -0.9 - -1.8
5 C Travis d'Arnaud - - - - - - -
6 SS Dansby Swanson - - - 0.2 - - -
7 3B Austin Riley -0.6 - -2.9 - -0.2 - -
8 CF Cristian Pache - - - - -0.5 - -

キャッチャーフレーミング

<re-img src="./images/framing01.png" title="Catcher Framing" href="https://baseballsavant.mlb.com/catcher_framing?year=2020&team=ATL&min=q&sort=4,1" > </re-img>

展望

UZRの数値を見ても守備では利得をもたらしていないチームであることがよくわかりますね。 特にRileyの3Bが大きな弱点。打撃でカバーしてくれることを期待しましょう。 SSのSwansonも平均程度の守備ですが、今までずっとUZRマイナスだったのが初めてプラスに転じたので、上積みが期待できるかもしれません。 2BのAlbiesは昨年故障で出場試合数が少なかったのでUZR0.6にとどまっていますが、本来は2Bとしては大きな利得をもたらすことのできる選手なので、 怪我なくシーズンを過ごせれば大きなプラスを期待できるかも。

外野はDHからLFに戻るOzunaのところはマイナスを見込まないといけませんが、CF:PacheとRF:Acuñaは大きな強みになりそう。 昨季のRFは全体では大きなマイナスになっていますが、これはAcuña以外でRFに入った選手(DuvallやMarkakisなど)が大きなマイナスを計上していたためで、 CFにPacheが入ることでRFをAcuñaに固定できれば一気に弱みから強みに転じる可能性が高いです。 そしてある意味今季の目玉であるPacheの守備ですが、STから好プレーを連発しているので非常に楽しみですね。 打撃でどの程度結果を残せるかが課題ではありますが、個人的には守備だけでもレギュラーにする価値のある選手だと思っています。 (もともとInciarteだったことを考えると、打撃面でも大きなマイナスにはならないでしょうし)

総評

昨季と同様、手薄な投手陣を攻撃陣でカバーする戦いになりそうです。 ただ「手薄な投手陣」の意味合いが、「先発が弱い」から「リリーフが弱い」に変わる可能性あり。 昨季は先発が打ち込まれても打線が跳ね返してリリーフで逃げ切る、という形でNLCSまでいきましたが、 今季はクローザーの不安から勝てる試合を落とすケースが増えるのではという懸念があります。 リリーフ陣を早期に整備して、終盤の失点を減らせれば4年連続の地区優勝も見えてくるかと思います。 今年も期待していますよ!!