CD感想, Music

Empathy

Tracklist
01. アイオライト
02. あまい夢
03. Falling
04. ティーカップ
05. いつか、また。
06. きみどり
07. Another
08. aquarium
09. 旋律の糸
10. Campanula
11. Walk on your side

僕は、上田麗奈さんの “表現” が大好きです。

声優としてはキャラクターを深く理解して、そのキャラの感情をとにかくリアルに生々しく表現する深さのあるお芝居。
そして個人活動では麗奈さんの中にある宇宙の深淵さが垣間見える表現を見せてくれて、
音楽や写真の表現に触れるたびに「麗奈さんにしか視えていない “世界” があるんだろうな」と思っています。

くちなしのトークショーのときにすごく印象的だった言葉があるんですが、
MC「初めて写真集を制作するにあたってどうでしたか?」
麗奈さん「RefRainを作った経験が大きくて。ミニアルバムと写真集って別物に見えるかもしれないけど、 “自分を表現する” という意味では同じなので、RefRainを作った経験が活きました。」

普通の人間は外枠(表面)を見てしまいがちだけど、麗奈さんはその裏側にある “本質” みたいなものを見据えていると、この言葉から感じました。
麗奈さんが見ている世界の一端に触れてみたい、そう強く思わせてくれる人です。

そんな上田麗奈さんの1stフルアルバム【Empathy】がついにリリースされました。
オリジナルの音楽作品としてはRefRain以来3年3ヶ月ぶりとなる本作、凄まじいアルバムです。
RefRainが「“上田麗奈”の中に潜っていく」作品とすれば、
Empathyは「麗奈さんが得てきた感情を、 “上田麗奈” の生の表現で感じる」作品。
麗奈さん自身と、作家やスタッフの方の意見を「ハーフ&ハーフ」で融合させて制作されたということですが、
その結果がこの上なく「上田麗奈」を感じるアルバムになっているのが本当に面白い。
おそらく参加した作家さんやスタッフの皆さんが麗奈さんのやりたいことやビジョンに強く共感したからだと思います。
ポップな曲も増えて、音楽的に幅を広げつつ、でも「どこか陰のある部分」や「ネガティブを出発点としてポジティブであろうとする」ところはまさに麗奈さんの “らしさ” 。
どの曲にも「上田麗奈らしさ」が満ち溢れています。

また、「声の表現」に徹底的にこだわっているのも麗奈さんの声優・役者としての誇りを感じる。
ヴォーカルエフェクトや修正を極力抑えて、上田麗奈さんの生の感情表現を主軸に据えた作品づくりはちょっと他には見られないアプローチです。
(これレコーディングすっっっっっっっごく大変だったんじゃないかなぁ…)
まるでお芝居を聴いているかのような、生々しくてダイナミックな感情変化を歌に乗せているのが本当に凄い。
これは声優でなければ、というか麗奈さんでなければできない表現。
「声優が歌う意味」のひとつの答えを示していると思う。

その一方で、麗奈さんの感情表現を支える楽曲たちもすごく “濃い” 。
一聴した印象ではポップな楽曲や柔らかい雰囲気の楽曲でも、曲構成やリズムワーク、音色の使い方にどこか「普通じゃない」要素があって、
麗奈さんが持っている芸術性に呼応しているかのよう。
曲順もメチャクチャ練られていて、「麗奈さんが得てきた感情を時系列で辿っている」ような感覚にもなるし、
「麗奈さんが大事にしている感情に徐々に近づいていく」ようにも感じられる。
最初から最後まで通して、流れを感じながら聴きたいアルバムです。

そんな「上田麗奈」を感じる楽曲たちを1曲ずつ見ていきましょう…

01. アイオライト

YouTube MV

「色づけ、世界。」
RefRainの白色の世界から一歩踏み出した先は、光が差し込む新緑の世界。
LUCKY TAPES高橋海さんによる軽やかなシティポップで、曲調は明るいけど
歌っている感情にネガティブなものがにじみ出ているのがとても上田麗奈さん。
Bメロの語りかけるように歌うパートが印象的で、「ああもうなにやってるんだろ」に込められた自嘲のニュアンスがとても好き。
1番と2番で「ああ」に込めた感情が異なるのがすごく良い…

新しい音楽的な挑戦と、「あぁ、上田麗奈さんの楽曲だ…」という安心感の両方を備えた、ある意味でEmpathyを象徴する1曲。

02. あまい夢

YouTube MV

ORESAMAのエレクトロポップと、麗奈さんの柔らかい高音がすごく心地よい。
ORESAMAの作風と麗奈さんの声は絶対に合うと思っていたけど、耳馴染みが良すぎて無限に聴ける。
麗奈さんの柔らかいところが出てる曲だけど、その中にも「大切な人たちが楽しそうに見てるのをずっと見ていたい、でも自分はその中にいなくていい」的な陰を感じさせるのがよい。
「曖昧に 視線をそらしては こぼさないように心の奥に包むよ」の 「手が届かない世界を眺めてる」感覚がとても好き。
あとベースラインが動きまくっててめっちゃカッコいいです。

03. Falling

あまい夢から覚めて、ティーカップへ堕ちていくインスト。
“あまい夢” のフレーズの断片と “ティーカップ” のコーラスがクロスフェードしているのが繋ぎのトラックとして完璧。
“あまい夢” の断片の入れ方と加工の仕方がすごく好きです。

04. ティーカップ

カフェで流れてそうなゆったりお洒落ポップ、と見せかけて「普通じゃない」要素満載の曲。
心地よい「tu tu tu…」のコーラスがいきなりピッチ変わって不安感を催すものになったり
曲が後半になるにつれてリズムやベースラインが揺れていくとか、音楽的な遊びとチャレンジの嵐。
気持ち悪さの表現方法にプログレ的なところがあるのもよきよき。不条理な繰り返し。
歌詞もとらえどころがなくて、奇妙な浮遊感が癖になる。

05. いつか、また。

上田麗奈さんの表現がヤバい曲その1。
静かに語りかけるところ、不安を滲ませるところ、内に秘めていた感情を爆発させるところ。
まさに「歌わない歌」「お芝居としての歌」の極致で、歌に込められた感情の生々しさに圧倒される…
「私 ダメで、ずるくて、傷つけるのにどうして」の「私」のところの声の震えがあまりに生々しくて泣きそうになる。
曲構成も典型的なAメロ~Bメロ~サビではなく、感情の変化を表現するのに最適な曲構成を選択してる感じなのがとてもよい。
無音やブレイクを場面展開にうまく使っている。
「「君は独りじゃない」ってベタすぎる台詞…」のところのコード感が、歌われている不安感やネガティブな感情を表現しててメチャクチャ好きです。

上田麗奈さんにしか歌えない歌であり、「声優・上田麗奈」の感情表現のリアルさ・生々しさをこれでもかと感じられる曲。
この歌をライヴでどう表現するのか、今から楽しみでもあり怖くもある。

06. きみどり

「怖いけど、一歩踏み出した先は優しい世界だった。」
新緑の日差しを思わせる、麗奈さんの優しくて柔らかい歌に包まれるスローポップ。
“アイオライト” のその先の風景とも感じられる。
三拍子リズム+春の日差しのように柔らかい麗奈さんの歌がとても心地よくて優しい気持ちになれる。

07. Another

Empathyの真骨頂はここからです。
ティザーで最初に出たインスト曲ですが、この柔らかい雰囲気から “aquarium”と “旋律の糸” に繋がるとは誰が予想したでしょうか。
詳しくは “旋律の糸” のところにて。

08. aquarium

上田麗奈さんの表現がヤバい曲その2
作詞:唐沢美帆さん、作編曲:高橋諒さんでたいへん楽しみにしていた曲ですが、なんですかあまりにも強烈すぎませんかコレ…
麗奈さんと唐沢美帆さん、高橋諒さんの「どこまでアーティスティックになれるか」のガチバトル。
最初の1音で意識を水の中に持ってかれて、麗奈さんの歌が入ってきたらもう深海の水底に囚われる。
綺麗だけど、すごく息苦しい。聴いていて胸が詰まる苦しさ。
Aメロ→Bメロ→サビと水底の景色が変わっていって、サビで暗い水底から光を見つけて、遠い光を目指して藻掻いていく。
そしてCメロで新しい世界に向かってただひたすらに上昇していく。
ラストで4つ打ちビートになるところで、上昇のスピードが上がるのを音楽で表現しているのがたまらなく好きです。

なによりも麗奈さんの歌の表現がマジ凄い…美しさと、内に秘めた意志の強さに触れて打ちのめされる。
波をたゆたう浮遊感と透明感、そしてその中にある揺るがない力強さ。
特に「導かれてく Ah」のところのピッチの揺れは表現として成立してるのが凄いし、
水面に向かって藻掻いている感覚を完璧に表現している…ここは鳥肌が立った。

上田麗奈さんの「静かな強さ」を感じて、麗奈さんが得てきたもの、日々戦っているものの重さを感じる曲。大好きです。

09. 旋律の糸

世界に絶望した歌。
ピアノの音だけで構成され、静謐だからこそ世界との断絶を感じる。
“aquarium” とはまさに対照的な、すべての感情を失った「からっぽ」の色を帯びた麗奈さんの歌い方が突き刺さる。
ボディの打音や逆再生音など、ピアノでは普通鳴らない音を使っていることで、この曲の「静かな狂気」が色濃くなっていてとても良い。
ラストのコーラスがどんどん近づいてきて、最後には麗奈さんの声だけになるのが「世界と切り離された」感覚になってすごく重い感情を得る。
ラストで麗奈さんの声がどんどん近づいてくるのがとても好き。

歌詞に御冷ミァハみを強く感じるのも刺さってしまう要因かもしれない。

“Another” をティザーで聴いたときに想像していた楽曲と「表現されている感情」としては真逆で、
このタネ明かしの仕方がアーティスティックの極みで大好きです。

10. Campanula

少しの後悔と、たくさんの感謝と、優しさと。
ピアノとストリングスで綴られる楽曲に乗せて紡がれる麗奈さんの優しい歌。
新緑の森の中心で、空に向けて歌っている姿が目に浮かぶ。
単体で聴いても十分に刺さるけど、 “aquarium” で藻掻いて、 “旋律の糸” で心を折り砕かれているからこそ
ここで「ごめんねじゃなくて、ありがとう」に辿り着くのがあまりにも尊い………
麗奈さんの優しさに満ちた歌が心に染み渡る。
“Another” からここまでの曲順、本当に絶妙。

11. Walk on your side

聴き手に寄り添う、どこまでも優しい歌。
麗奈さんの「理想の姿」の尊さと、世界を包み込むレベルの優しい声色に言葉を失ってしまう…
秀和さんの曲だからか、RefRainとの繋がりというか、「RefRainのその先の景色」な感覚もある。
「優しい声が応える それがほんとに嬉しくて」の “嬉しくて” に込められた声色とニュアンスが慈愛に満ちていてメチャクチャ好きです。

RefRainの時は “自分の表現” にフォーカスしていた麗奈さんが誰かに寄り添う歌を歌っている、その事実だけで無限に尊いんですよね………
この3年半で麗奈さんが得てきたものの大きさを実感してしまう曲。

まとめ的なアレ

リードトラックの2曲はポップだし一見すると柔らかい印象だけど、同時にすごく「重い」アルバムでもある。
特に麗奈さんを追いかけていればいるほど、歌詞や表現に込められた重さを認識できる作品だと思います。
ぜひ “アイオライト” と “あまい夢” から軽率に入って “いつか、また。” と “aquarium” の表現の凄みに打ちのめされてほしい。

上田麗奈さんが得てきた感情と、それを表現する「声優・上田麗奈」の凄みを体感して、改めて僕は麗奈さんの表現が大好きだ!と再認識しました。
このアルバムを創ってくれて本当にありがとうございます。
そして、音楽を創るのを楽しいと思ってくれたのであれば、いち音楽ファンとしてとても嬉しいです。
また創りたくなったときに音楽での新しい表現を聴かせてくださいね。

CD感想, Music

TVアニメ「恋する小惑星(アステロイド)」オープニングテーマ 歩いていこう!

Tracklist
01. 歩いていこう!
02. Last Season
03. FLOWER (アニメ盤収録)
04. Lost Thorn In My Side (初回限定盤&通常盤収録)

奈央さんの曲はとにもかくにもエモい。

アーティスト東山奈央の楽曲に言及する際に真っ先に出てくる感想ですが、
そんな聴いていると感情になってしまう東山奈央さんの新たなシングルが届けられました。

恋する小惑星のOPである表題曲 “歩いていこう!” はキラキラ輝く夢を追いかける人の背中をやさしく押してくれる歌。
“群青インフィニティ”が聴く人の背中をぶっ叩いて前に進む力を与えてくれる曲だとするならば、
こちらは「自分らしさを大切にして、自分のペースで歩いていけばいいんだよ」とそっと寄り添って夢に向かう人を後押ししてくれる。
ワルツっぽいゆったりしたリズムになったり、サビで疾走感あるリズムになったりと曲中でリズムが細かく変わるのも
「立ち止まるときもあるし、走れるときは走ろう」というメッセージが顕れててとてもよい。
あと歌詞がエモいんですよねぇ…「輝く意志を拾い集めて」なんか「石」と見せかけて「意志」なの名フレーズだと思う。
1番と2番のAメロでリズムパターン変えてるのも萌えポイントです。

カップリングがことごとく強いのも奈央さんの楽曲の特徴ですが、今回もキャラがぜんぜん違う3曲を揃えていてつよつよのつよ。
特に “Lost Thorn In My Side” と “FLOWER” がクソぶっ刺さって!
Lost Thorn In My Side” はライヴでの奈央さんのダンスが楽しみになる曲ですが、
ビート感と奈央さんのクールな歌い回し、そして伊賀拓郎先生のジャジーな鍵盤が超スタイリッシュで聴いてて気持ちよすぎる。
2番と間奏での鍵盤のフレージングちょー好き性癖。

そして “FLOWER” ですよ!!!!!
これぞ奈央さん!というクソエモキラキラロックでイントロ2秒でガッツポーズ。
恋アスのOPは当初まさにこういう曲を想像していたけど、恋アスという作品のどこに焦点を充てるのか、と考えたときに
「未来への歩み」に焦点を充てたのが “歩いていこう!” で、「この今一瞬の輝き」に焦点を充てたのが “FLOWER” と解釈しています。
満天の星空がハッキリと脳裏に浮かぶ鍵盤とギターの音色が好きすぎる。
サビで高まりすぎて死ぬやつ。
間奏の伊賀先生の鍵盤の音色もクッッッッッッソエモいです。

追伸: “FLOWER” はやくライヴで聴きたいです

BestOf, Music

気づいたら2019年も終わりですね。なんということだ。
ということでいつものアルバム10選です。

Swallow the Sun – When A Shadow Is Forced Into The Light

When A Shadow Is Forced Into The Light
Swallow The Sun
Century Media (2019-01-25)
売り上げランキング: 47,444
フィンランドのGothic/Doomの帝王、7thフル。
感想も上げたのでここでは控えめにしておきますが、
ヘヴィさは抑えつつも、「死への近さ」は今までのどの作品よりも色濃い。
気楽に聴ける作品ではないけど、「嘆きと悲しみの、その先の光」を感じられる傑作。

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Alcest – Spiritual Instinct

フランスの「ブラックゲイズ」とも称される、唯一無二の音楽をやっているAlcestの6thフル。
メタル色が強めでありつつも、ブラックメタルでもシューゲイザーでもない独特の空虚感をもった空想世界を感じられる1枚。
Neigeのヴォーカルの滔々と歌い上げる感じがとても好き。
Le Miroir“の重厚なイントロからの「心地よい虚無感」がたまらなく刺さる。いつまでもこの音の中にいたい。

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東山奈央 – 群青インフィニティ

群青インフィニティ(BD付初回限定盤)
東山奈央
フライングドッグ (2019-04-03)
売り上げランキング: 15,723
我らがフライングドッグのエース(と勝手に思っている)東山奈央さんの2ndフル。
1st「Rainbow」もかなりの名盤だったけど…大名盤を創りましたね……!
バラエティ豊かな曲を取り揃えていて、かつアルバムとしての1本の軸が通っていて、さらに「声優・東山奈央」でなければ歌えない、創れない作品になっている。
声優アーティストの存在意義を確かに示す、すごく意味のあるアルバム。

奈央さんの曲はとにかくいろんな「エモさ」が内包されているのがとても好きなんだけど、
群青インフィニティ“の「何度も何度も何度も何度も何度も何度でも」とか
はじまりの空“の「ここにいるから おもっているから そばにいるから ねえ、笑って」とか
自然と心に刻まれてしまうフレーズの嵐。

さよならモラトリアム“はまさに「声優・東山奈央」の表現力をいかんなく発揮した、「声優が歌うことの意味」を体現した1曲と感じていて、大好きです。
ツアーも最高だったし今から3rdアルバムへの期待が天井を突き破っている。

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平山笑美 – PIRAMIRiSE

PIRAMIRiSE
PIRAMIRiSE

posted with amazlet at 19.12.30
平山笑美
Sweep Record (2019-11-22)
売り上げランキング: 2,419
歌唱力に定評のありすぎる平山笑美さんの、クラウドファンディングにより実現した1stアルバム。
ソロでアルバム出してほしいと前々から思ってたので、迷いなくCF課金したけど想像以上に凄いアルバムを創ってくれた…!!!
歌が上手いのはもちろんですが、曲が強すぎて聴いてて気持ちよすぎる。
ZIZZと旧ナムコ勢で構成される作家陣が俺得すぎてね…
いとうかなこさんと磯江俊道さんの息吹を確かに感じる”JUMP!“、
「毒かわいい」というコンセプトとタイトルと歌詞が天才すぎる”Dead or ふたりきり♪“、
ぴらみさんの天高く舞う歌声がすごく活きているバラード”約束の空“あたりが特に好き。

2ndアルバムと2ndライヴも決まったとのことで、次こそはライヴ行きたい!

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Eluveitie – Ategnatos

アテグナトス【CD(日本盤限定ボーナストラック2曲収録/日本語解説書封入/歌詞対訳付)】
エルヴェイティ
ワードレコーズ (2019-04-05)
売り上げランキング: 18,904
スイスのフォークメタルEluveitieの8thアルバム。
メンバーチェンジもあって方向性が心配されたけど、少し民族要素が減りつつもメロディック・デスラッシュとしてのカッコよさを強めた好盤で不安を一蹴。
ちゃんとEluveitieらしいケルト要素も残っているしなんの心配もいらなかった。
Ategnatos“イントロのピーヒャララーから始まり突進リフに雪崩込む流れはまさにEluveitie。

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夏川椎菜 – ログライン

ログライン(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)
夏川椎菜
ミュージックレイン (2019-04-17)
売り上げランキング: 12,318
夏川椎菜さんの1stフルアルバム。
パレイド“がメチャクチャいい曲だったので1stアルバムへの期待も上がっていたけど、
その好印象を力強く補強する超強力なアルバム。
声優アーティストの作品としては珍しく、楽器隊がしっかり主張していて、それでいて夏川さんの声を埋もれさせない(むしろキャラを立てている)音作りが見事。
洋楽寄りなミックスになっているのも好みだし、何度でも聴ける耳馴染みの良さが凄い。
この耳馴染みの良さは夏川さんの声質によるところが大きいんだなぁと。
このアルバムも「本人のキャラクター・嗜好を活かしている」という意味で声優アーティストのアルバムとして理想的。

ステテクレバー“が曲名のセンス含めて超好き。

PV

Mamiffer – The Brilliant Tabernacle

THE BRILLIANT TABERNACLE (ザ・ブリリアント・テイバーナクル: +bonus disc)
MAMIFFER
Daymare Recordings (2019-11-06)
売り上げランキング: 227,969
シアトルのポストロック・アンビエント、5thフル。
今年存在を知って前作の「The World Unseen」から聴き始めたけど、「心地よいからっぽ」感がすごく好き。
ヴォーカルの程よく感情のない感と、ノスタルジアを感じさせる音色、そして時折シューゲイザー的な歪ませ方をさせたギターが切り込んでくるのがとても良い。
最近「からっぽ」や「空虚」な感覚を抱かせる音楽が好きになりつつあるのでとても刺さった。
この系統も掘ってみようかな。

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BLOOD STAIN CHILD – AMATERAS

AMATERAS
AMATERAS

posted with amazlet at 19.12.30
BLOOD STAIN CHILD
爆音!BAKU-ON.Ca (2019-07-03)
売り上げランキング: 67,836
日本のトランス+メロディックデスメタルバンド、ベストアルバムを除くと8年ぶりになる6thフル。
なんと言ってもSadewさんの復帰で、大好きなMOZAIQ期のBSCが帰ってきた!ということですごく楽しみにしてたけど、
その期待に違わぬ超強力なアルバム!
シンセリード+メロデスリフにSadewさんの野生Vo.が絡むこの音。やっぱりBSCはこの音が一番好きなんだよなぁ。
EARTH“がリフも曲展開も完璧すぎて今年はずっと聴いていた感ある。

(声優オタク向けに)Dual Alter Worldのアルバムが好きな人で、万一このアルバムを聴いてない人がいたら一刻も早く聴いたほうがいい。

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RISE TO FALL – Into Zero

INTO ZERO(イントゥ・ゼロ)
RISE TO FALL ライズ・トゥ・フォール
RED RIVET (2019-02-20)
売り上げランキング: 141,595
スペイン出身、Coroner recordsのエットレファミリーの一員、久しぶりの4thフル。
1stからサイバーなメロデスを演っててすごくいいバンドだけど、新譜もすごくカッコいい!
In FlamesがCome Clarityで示したモダンなメロデスの、「正しく進化した姿」な感覚があってメロデスファンとしてとても嬉しい音。
↓に貼っている”Acid Drops“の、シンセリードのキラキラ感とリフの突進力が凄まじくカッコいいのでみんな聴いて。

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ASCA – 百歌繚乱

百歌繚乱(初回生産限定盤A)(Blu-ray Disc付)(特典なし)
ASCA
SACRA MUSIC (2019-11-06)
売り上げランキング: 26,981
シンガーASCAさんの満を持してリリースされた1stアルバム。
今まで興味ありつつも本腰入れて聴いていなかったものの、”雲雀“がすごく刺さって聴き始めたけど、他の曲も強い強い強い。
Profusion“→”“→”RESISTER“の重永亮介3連でまずテンションぶち上がるし、
その後も表現力と強さを両立した芯の通ったヴォーカルに圧倒される。
気づいてみると重永亮介さんの作編曲率がめっちゃ高くて、「こりゃ刺さるわけですわ…」という感じ。
1stツアーも幸運にも行けてメチャクチャぶち上がったのでこれから本腰入れて追いかけていきます。

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以上。
ここ数年の10選はわりとひねり出してる感あったけど、今年は挙げるべき好盤が多すぎて非常に悩みました…
(HelevornもInsomniumもLahmiaも入れたかった…)
メタルおじさんとしてのアイデンティティを取り戻せた1年だったかな。

CD感想, Music

When A Shadow Is Forced Into The Light
Swallow The Sun
Century Media (2019-01-25)
売り上げランキング: 68,863

フィンランドが誇るGothic/Doomの帝王Swallow the Sun8枚目のスタジオ・アルバム。
前作は自身のもつ音楽性を静と動の要素に分解し、3枚組という非常に挑戦的なアルバムを作ってきましたが、
今作は1枚のアルバムの中にSwallow the Sunらしい「Melancholy/Beauty/Despair」を表現する1枚に。
そしてギタリストでメインソングライターのJuva Raivioがパートナーを失った絶望を乗り越えるために創られたということもあり
(というかそんな状況になってたの全然知らなかったですね…)
極めてパーソナルで、かつSwallow the Sunの作品で最も「死」と「生」に近いところにあるアルバム。

今作の前にリリースされたEP「Lumina Aurea」ではこれまでのSwallow the Sunの作風とはまったく異なる、
映画音楽のようなアプローチで深く沈み込む絶望を描く「喪失の情景」の表現がなされており「これをEPにするとか凄いな…!」と感じましたが、
そこから続くアルバム本編は音楽的には幾分かの救いが感じられる内容。
特にアルバム前半はドゥームなリフもかなり抑えめで、テーマを抜きにすればかなり聴きやすいです。
ただ特徴的なのは、生と死の境界線の、「こちら側」の端から「向こう側」を眺める風景が曲に収められている全ての音から強く想起されること。
特に”The Crimson Crown“の現世と冥府を隔てる河が脳裏に浮かぶ幽玄な音世界がたまらない。
さらに歌というよりも呪術めいたクリーンVo.が心地よい”Firelight“、
美しさと慟哭のコントラストがこれぞSwallow the Sunな”Upon The Water“、
メロウなクリーンVo.とヴァイオリンの重苦しさが印象的な”Clouds On Your Side“と続き、
Here On The Black Earth“で灰色の墓標を思わせるイントロからのリフとヴォーカル両方で嘆きと慟哭を爆発させ、
空虚な虚無感に満たされる”Never Left“でアルバムは幕を閉じる。
アウトロの「Empty rooms…」からひたすらEmpty…を連呼するのが聴き終わった後に心に楔を打ち込まれた感覚が残るのがとても良い。

全体通して、「静寂」をすごく効果的に用いているアルバムという印象。
音の隙間まで含めての心象風景の描写が見事で、「静」の部分があるから「動」の部分で感情がより動かされる音楽になっていると思う。
なので家で、雑音のない環境でじっくり聴いてこの音世界に浸りたい。
あと「Lumina Aurea」と地続きになっている作品なので両者を続けて聴きたいですね。
特に繋げて聴くと1曲目の表題曲のもつ意味合いが変わってくると思う。
横たわるテーマを考えると気軽に聴けるアルバムではないけど、美しい悪夢の中に身を置いて絶望の出口を探す感覚が非常に心地よいアルバム。

雑記

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

最近ブログを書く機会がかなり減ってしまっていて、どんどん長文が書けなくなっていて非常によくないと思うので、
2019年はなるべくブログを書くことも目標のひとつにしたいと思うワケダ。

2018年のイベント振り返りも軽くしておくけど、去年のイベント参加数は61。





演者別ベスト3は、

    1. 上田麗奈さん:14件
    2. 水瀬いのりさん:8件
    3. 田所あずささん:5件

 特に上田麗奈さんは1-6月:3件に対して7-12月:11件と一気に増えてしまったな…w
てさぐれで名前を認識してから好きな声優さんではあったけど、
μちゃん&フーラ先輩で推し度が急激に高まって、
ミリオン5thのアリーナ4列目でもう麗奈さんしか見ていない自分に気づいてしまって完全に堕ちてしまったなーと。
その時点で燃料が大量にあったのに、さらにSSSS.GRIDMANのアカネちゃんで完ッ全にとどめを刺されると。もう無理。
今年もまずはわたてん&グリムノーツからしっかり追いかけていく所存。
そしてLantis祭りのソロでの初ステージが今年前半のハイライトになりそう。絶対に応援にいかないと。

2018年は大原ゆい子さんだったりスピラ・スピカだったり、今まで聴いてなかった新しいアーティストとの出会いもあったので、今年も自分に突き刺さる新しいアーティストと出会って自分の感性と知見を拡張し続けていきたいな。
そこそこいい年齢になってきているけど、新しいものへの感性を失わないように、精神の老いを可能な限り遅らせるよう意識して動いていきたい。

というわけで2019年も「自分の好きなものを全力で応援する」スタイルそのままに行きたいと思うのでよろしくお願いします。